2015年5月11日月曜日

「北海道における若者の離職に関する調査」と採用活動に関して思うこと。

 北海道経済部労働局が発表した「職場定着に向けた離職状況調査」結果報告書が面白かったので軽くご紹介と、「採用に関して思うこと」です。

http://www.pref.hokkaido.lg.jp/kz/rkr/ss/rishokujoukyoucyosa.htm

http://www.pref.hokkaido.lg.jp/kz/rkr/ss/rishokujoukyoucyosa.htm


 当調査ですが、「離職者」「企業」「教育機関」という立場の異なる三者に対し調査を行うことで、新規学卒者の離職/職場定着の現状と三者の仕事に対する意識の違いを浮き彫りにすることを目的としていたようです。

 なかなかカロリーのかかる調査なので、とても有用な内容ではありますが、「離職者」は下記を接点として実査を行っているので、やや割り引いて見る必要はあるかなと思います。本当は、ネット調査でスクリーニングをかけて早期離職者に本調査かけてもいいかなと。道内限定だとサンプル集まらないかな・・・。


<離職者調査の調査対象>
・北海道高等技術専門学院の在校生、北海道高等技術専門学院の施設外訓練の民間機関の在校生、北海道職業能力開発促進センターの在校生、その他民間職業訓練機関等の在校生
・さっぽろ若者サポートステーションの利用者
・北海道産業雇用創造協議会主催合同企業説明会(札幌)の来場者 等



<結果概要からの抜粋>

・離職理由の上位で挙げられているのは、「心身のストレス」、「給与」、「労働時間」などであり、また、自分のキャリアデザインを考慮しての離職も目立っています。

●若年離職者(18〜24歳)の状況について
・求職活動の際に重視した条件として、他の年齢層に比べ「仕事の内容」を挙げる回答が少なく、一方で、「採用形態」や「職場の人間関係」を重視する傾向があるのがこの世代の特徴と言えます。

・他の年齢層に比べ「休日・休暇が少ない」、「労働時間が長い」、「仕事が面白くない」ことを理由に退職するケースが目立ちます。学卒求職者の3年以内離職理由においても「仕事のストレス」のほか、同様に「休日・休暇」「労働時間」等の労働条件面の離職理由が上位に挙げられています。


 当ブログでも何度か紹介していますが、弊社、札幌市内・近郊の大学に様々な調査(SNSの使用実態等)を実施しています。その中で、大学生に対する「就職意識調査」も行った経験があるのですが、今回紹介する調査同様、以下のような結果となっていました。

1.出来るだけ地元に就職したい。上京なんておっかない。
2.キャリアアップや収入増よりは、いまの穏やかな生活を守ることを優先したい。
3.就職に関する準備は3〜4年生から(4年制大学の場合)


 こんなノリなので、インターンで学生さんを受け入れた直後は、まずはガッツリ「意識付け」させて頂いています(笑)。
 また、大学でキャリアデザインに関する研究をされている教授さんも「いまは1年生のうちからキャリア意識をつけさせないと間に合わない」という声も伺っています。キャリア意識が高まれば、その分、最初に抱いていた勤務の場所や内容に関する(狭い)選択肢ももっと広がる可能性がありますよね。

 一方、このような調査を紹介すると「最近の若者は辛抱が足りん!」的なことをおっしゃる方もいますが、個人的にはそれもどうかなと思うことがあります。

 弊社のお客様でいま急激に業績を拡大されているハウスメーカーの社長さん。同社の新規採用者パンフレットの制作でインタビューした内容が印象的でした。

(小田)「社長が、いま一番大切にされている仕事はなんですか?」
(社長)「採用!僕の仕事は採用だと思っています。自分の会社の魅力や夢を、僕自身の言葉で学生さんに語るようにしています。だから、就職説明会も極力自分で説明するようにしてるんです!」

 決して極端な考えではないと思います。今の時代、学生さんはインターネットを使って本州にある会社の細かい情報を入手できます。就活の口コミサイトでは、面接で聞かれたことも共有されちゃいますよね。
先日、ホリエモンさんが近大で行った祝辞の動画なんかも、期間を置かずに見られる時代です。

 このような状況なので、「あの会社/あの社長、将来的にもアテになるかな?」的な目が養いやすくなっているかもしれません。
採用側は「やる気のない若モンはいらんっ!」的な考えかもしれませんが、採用される学生側は「こんな会社で自分の人生ムダにしたくないの〜」って思って寄り付いていないだけかもしれません。

 こういったことを踏まえると、企業側は、いままで以上に「経営理念やミッション」をしっかりと磨き上げ、それを実際の業務において体現し、その様子を丁寧に学生や若者向けにアピールする必要性が増すのではと考えています。

 最近、自社で採用ランディングページを構築し、そこにネット広告で呼び込むといった相談を受けることも増えています。就職雑誌などに高額な広告費を払うよりも「本当に企業として伝えたいこと」をアピールしやすいやり方なので、何かお困りの点がありましたらお声がけください。
(最後は宣伝っぽくなっちゃった、テヘッ)

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