2017年5月14日日曜日

RESASデータを「IBM Data Scientist Workbench」でゴニョゴニョしてみた。

「地方創生」プランニングの中核を成す分析システムとして提供されているRESAS(リーサス:地域経済分析システム)ですが、実は、一部の機能において集計前ローデータが提供されています。

今回は、Cloud上でビックデータで分析が可能な「IBM Data Scientist Workbench」を使って、軽くゴニョゴニョやってみます。Workbenchでの分析環境は「RStudio」を使用します。

※本エントリーは、私、小田一弥が一個人として勉強を兼ねて記載したものです。私の勤務先である日本アイ・ビー・エム株式会社の見解・見識ではない、個人としての記載内容としてご覧ください。   


サンプルデータの登録手順



以前、当ブログでデータ登録手順は軽く触れたことがありますが、もう少し丁寧におさらいしてみます。

1.利用申請後、「Data Scientist Workbench」にアクセスし、「LOGIN」を選択。
 https://my.datascientistworkbench.com/


2.ログイン処理を実施。
「ユーザー名/メールアドレス」「パスワード」を入力してください。各種SNSでもログイン可能です。


3.「マイ・データ」を選択。
「データ管理」→「マイ・データ」を選択してください。


 下記のようにファイルパスが表示されます。フォルダの作成/削除なども当画面で実施可能です。


4.RESAS(リーサス:地域経済分析システム)からデータをダウンロード。
リーサスにアクセス後、「まちづくりマップ」→「不動産取引」を選択してください。
グラフ画面の右下に「データをダウンロード」ボタンからデータをダウンロードしてください。

(参照)「RESAS(リーサス:地域経済分析システム)」ページ

当然、こちらで取得可能なデータはリーサス上でも閲覧可能ですが、UIの限界もあってか、詳細は分析は別のツールを用いる必要があります。


ダウンロードデータの解凍フォルダ内です。この中から「まちづくりマップ_不動産取引_大規模土地取引_都道府県.csv」を使います。400KB以上もあるので、そこそこのデータ件数です。

このままのファイル名でも取り込めますが、今のうちに「fudousan.csv」に変更しておきます。


5.ファイルをアップロード。
「Data Scientist Workbench」画面に戻り、「Upload Data」を選択してください。


なんと、ドラッグ&ドロップ一発でファイルのアップロードが出来ちゃいます。
便利ですねぇ〜(しみじみ)


「RStudio」での分析手順


「Data Scientist Workbench」で使用する「RStudio」ですが、高度な使い方をしない限り、ローカル版と大きな差は感じないと思います。

1.「RStudio」を起動。
左上の「BDU Labs」を選択し、下記画面から「RStudio IDE」を選択してください。


2.作業ディレクトリの変更。
ブウラザ上で「RStudio」が起動するのでメニューの「Session」→「Choose Directory」から先ほどデータをアップロードしたフォルダを選択してください。



上記画面で「Choose」を選択すると、「RStudio」画面左下のペインに「setwd("/resources/data/rstudio_data")」という文字が表示されます。
 本来は、「setwd」関数で手入力する作業ディレクトリ変更の処理がGUIで出来ましたよ ということですね。


3.Rのソースコードを入力!
あとは、以下のソースコードを入力するだけですが、「Data Scientist Workbench」のおける「RStudio」はほぼデフォルトインストールの状態のため、分析に必要なRのパッケージを随時インストールする必要があります。

コンソール画面に手入力してもいいのですが、「RStudio」の場合、下記のようにすると楽です。

「Tools」→「Install Packages」を選択すると下記のようなダイアログが表示されます。


ローカルインストール版と同様、パッケージ名の補完も動いてくれます。

※インストールに数分かかります。

インストール後は、適宜、利用するパッケージを下記「library」関数で呼び出してください。

library(ggplot2)

以降、「RStudio」のコンソールペインに入力するソースコードです。

# 作業ディレクトリの変更。先ほどGUIでやっていますけどね。
setwd("/resources/data/rstudio_data")
 # データの読み込み。今回、読み込むデータはWindows環境で作られたようなので、FileEncodingには「cp932」(Shift-JIS)を指定します。
# 「stringsAsFactors」はデフォルトのままだと「factor」型として読み込んでしまうので、「F」(FALSE)オプションをつけて抑制します。
fudousan.dat <- read.csv("fudousan.csv",header = TRUE, stringsAsFactors = F,fileEncoding = "cp932")

# 読み込んだデータ内容の確認
View(fudousan.dat)

# パッケージの呼び出し。インストールは前述の方法でお願いします。
library(dplyr)
library(ggplot2)

# カラム名の変更。日本語のままだと取り扱いが面倒なので変えておきます。
fudousan2.dat <- fudousan.dat %>%
dplyr::rename(year = 集計年,pref_code = 都道府県コード, pref_name = 都道府県名, usage_code = 利用目的種別コード, usage = 利用目的種別名, deal_count = 取引件数.件., deal_field = 取引面積.u.)

# 必要であればIDの追加。今回は不要ですが、パッケージや分析内容によってはID列が必要になったりしますので。
fudousan2.dat <- fudousan2.dat %>%
dplyr::mutate(id=rownames(fudousan2.dat))

# 分析対象データの抽出。下記は「北海道における”すべての利用目的”または"資産保有・転売等目的"」のデータを抽出します。
hokkaido.dat <- fudousan2.dat %>%
dplyr::filter(pref_name == "北海道", (usage == "すべての利用目的" | usage == "資産保有・転売等目的")) 

#今回は、シンプルに「すべての都道府県」データを抽出します。
national.dat <- fudousan2.dat %>%
dplyr::filter(pref_name == "すべての都道府県")

# 下記内容でグラフ化!
ggplot(national.dat, aes(x=year, y=deal_count, colour=usage)) +
geom_line() + theme_bw(base_family = "HiraKakuProN-W3") +
xlab("年") +
ylab("取引件数") +
ggtitle("RESAS:まちづくりマップ〜不動産取引データにおける取引件数(全国)") +
scale_color_hue(name = "利用用途")

・・・豆腐った(笑)
「base_family」を色々と変更したのですが、現時点ではWorkbenchでは豆腐化してしまうようです。もし、Workbench上での改善方法わかる方がいらっしゃったら教えてくださいm(_ _)m


同じコードをローカルで試すと正常に表示されました。もう少し利用用途を減らした方が見やすいですね。ここ数年で「生産設備」が妙に増えていますが、何でしょうか、これ。リーサスのサイトでも確認したのですが、定義が載っていなかったのでこちらもわかる方がいらっしゃったらご教示ください。


一部、ローカル環境とは使用感が異なる部分もありますが、自分で「RStudio」環境を構築する必要がない「IBM Data Scientist Workbench」。今後、Rデビューをご検討中の方にはオススメです^^

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R開発環境が無料で簡単導入!「Data Scientist Workbench」を使ってみた。
http://sapporomkt.blogspot.jp/2016/10/rdata-scientist-workbench.html

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